しばらく前まで新聞や雑誌は、情報源として非常に重要でした。時事問題について論評を書くために、関連領域の新聞記事を切り抜いていました。そして、これらは、大きな価値を発揮したのです。
インターネットで簡単に記事を引き出せる
しかし、インターネットの発達によって、事情は大きく変わりました。今では検索サービスを用いて目的の言葉だけを頼りにして記事を簡単に引き出すことができます。必要な情報は簡単に手に入れられるようになりました。
知りたい情報をすぐに(必要なら検索機能を用いて)見いだせるという点では、ネットを使ったデータベースの方が、紙の新聞よりはるかに優れているといえるでしょう。
官庁や企業がネットワークに直接に情報を提供するようにっており、新聞を完全にバイパスすることもできるようになりました。これは、従来の形態の新聞が、深刻かつ重大な挑戦を受けていることを意味しています。
情報の評価
こうした中で、私が新聞に求めている役割は、情報の「評価」です。どのニュースがどれだけの大きさで扱われているかということです。
例えば、為替レートと中国経済の問題は、どちらが大きく、また頻繁に扱われるかといったことなどです。多くの新聞が共通に扱うテーマは、無視することができません。私が新聞で見ているのは、記事の内容そのものではなく、記事の扱われ方です。
若林紘大